ジェットコースターにもほどがある -宮田珠己 -書評
内容
世にも珍しいジェットコースター専門書。ジェットコースターに乗ることが大好きな著者が海外・国内のジェットコースターの紹介や遊園地や絶叫マシンにまつわるよもやま話が書かれている。感想
私は別にジェットコースターマニアでもなんでもないのだが本書は笑いながら楽しく読むことができた。やはり、マニアの域に達すると常人には理解できないポイントがあって、そこが逆に読んでいて新鮮で面白い。例えば、ジェットコースターは木製が良いとか、ふわっとするエアータイムが長いのが良いとか、横Gがあるから良いだとか、そんなことを考えながらジェットコースターって乗るものなんだと新しい発見に出会えた。著者が科学的?に分析した結果で面白かったのは「痛み」について。著者曰く、アメリカのジェットコースターは載っていて痛みを感じないが、日本のジェットコースターは乗っていて頭やお尻に痛みを伴うことがあるそうだ。アメリカがジェットコースター大国であって、日本がそうでないのはこれが原因なのではないかと推察しているが、日本のジェットコースターの設計者の方には(反論もあると思うが)是非一読してもらいたい。
アメリカの遊びに行きたい場所を探している人でジェットコースターがダメじゃない人であれば、観光地探しにも本書は役立ちそうだ。本書の半分ぐらいはアメリカで有名な遊園地を現地まで赴き面白おかしくレポートしてくれている。ジェットコースターの紹介方法も、名称・場所・概要などのように形式だって紹介しているのではなく、著者の日記のような論調で読んでいて飽きない。
本書はジェットコースターが嫌いな人でも誰でもオススメできる。嫌いだった人が本書を読んで興味を持って好きになったという人もいるそうだ。ただし、一人で笑ってしまうことになるので、電車で読むことはオススメしない。